うにょら~堂

関東在住のへなちょこ社会人(バイク乗り、たけのこの里派)が思ったことや行ったところについて書きます。

某バイク雑誌の取材でモヤっとした話

 

もう5年も前だしええやろ。

「バイクで日本一周」をするならとかく仕事を辞めてからがナンボみたいな空気がバイク車載界隈にはある(と僕はしばしば感じていた)のですが、いやそんなことねえぜ会社員が必死に連休を錬成してちょこちょこ日本中を訪れるのだって圧倒的に尊いでしょう……といったスタンスで「分割日本一周」なるものを旅行記ブログ上でうたっていた時期がありました。

unyora-d.hateblo.jp

数年前、ちょうど目標としていたエリアの旅やミッションを一通り成し遂げたタイミングで、とある雑誌の記事の取材をに受けました。

その記事は、バイクに乗ってさほど年数の経っていない初心者ライダーの、日本一周をしたきっかけや思い出話について毎号一人ずつ紹介する連載コーナーです。雑誌そのものもバイク初心者向けを誌名の横でうたっています。当時の僕は職場近くの本屋でバイク雑誌をちょこちょこ立ち読みすることを日課にしていたので、その雑誌も連載コーナーも知っていました。誌名がすべてカタカナ表記なあの雑誌です(以上、その気があれば何もかも特定できる情報量)。

取材アポの中で、その記事が雑誌編集者によるものではなく、フリーのライターさんが毎号その雑誌向けに書いて納めているものである事を知りました。当初、Twitter(当時)のDMで声を掛け、その後メールでやり取りをしたのもそのライターなライダー(ややこしい)本人です。

 

取材にあたっては家の近くまで来て貰えるとの事で、およその住所を伝えると、近くのファミレスを集合場所として指定されました。とある週末の昼、所定の日時にファミレスを訪れると既にライターさんは店内にいらっしゃり、そこから取材が始まりました。

どうしてバイクに乗ろうと思ったのか、どうして日本一周をしようと思ったのか、旅での苦労話や印象的だった事など、取材そのものはつつがなく終了。昼食をご馳走してもらいつつ1時間くらいで店を出ました。

その後、近くの公園沿いの路上で緑をバックに僕とバイクのツーショットを撮りますよという事でちょっとだけ移動をしました。撮影ポイントに到着して僕のバイクを初めて間近に見るやそのライターが一言。

 

「あれっサイド全然剥けてないじゃーん」

 

この発言の意味するところはバイク乗りにしか分からないと思うので改めて解説します。

出荷後のタイヤというのは製造の都合上か、接地面(路面と接することが想定される部分)が若干テカテカしています。タイヤを交換したばかりの時はこのテカテカが比較的滑りやすいので、極端なアクセルワークやハンドリングをしないようお店から注意されるなどします。このテカテカは走っているうちに擦れて無くなり、見慣れたマット感の強いタイヤの表面へと変化するのですが、俗にこの事を「皮むき」と呼びます。

しかしこの皮むき、接地しない限りテカテカは擦れようがないので、タイヤの端の方はカーブなどで車体をそこそこ傾けないと(=勢いのあるコーナリングをしないと)いつまでたっても剥けずに残るのです(一部ではこれをアマリングと呼びます)。

剥けていないという事はカーブでさほど車体を傾けずとも走行できている、つまりは速度を出さずに乗っている証左とも言えるのですが(諸説あり)、彼はこのタイヤの端に残った皮に対してあれれー?と言ったわけです。

タイヤの端の皮むきができていない状態(アマリング)を残さず、車体をしっかり倒してタイヤの端まで存分に使って走行をする事を粋なものとする思想が(特におっさんもといベテラン層の)一部にあることは僕も認識しています。しかし、旅目的で競技性の無い公道走行において端まで皮むきを済ませることは必須でも何でもありません。むしろアマリングがある方が運転が上手いという説さえも巷にはあるようですが、少なくともこれらを初心者の証と見なしてタイヤを端まできっちり使った走行を是とする風潮は、慣れない初心者を含めたライダーたちに危険な運転を促しかねません。

ましてや、ビギナーライダーを対象とする雑誌ビギナーライダーを扱う記事の取材でインタビュイーに対してこの発言。当時僕は走行距離だけでいえば既にビギナーの域を脱していた(ディーラー談)ようですし、「うっせー好きに乗らせろ」としか思わないので実害はありませんが、他のライダーたちにも同じように接しているのだとすれば、もう若いライダーに関わるの辞めたら?というのが正直な心境でした。笑顔でスルーして写真撮られて解散しましたけど。

 

その後、記事に使用するという旅の思い出の写真などを送るも取材対象である僕に原稿の確認等は一切なく、あげく名前の漢字表記を間違え、取材で話した事実を一部誤解されたまま掲載された事も含めて、なんだか雑誌や記事のお題目とは打って変わって端々に信念が感じられなくてとても残念だったという、そんな話でした。

 

こちとらニーハンでパンパンの荷物積んでロンツー何度もかまし無事故無違反なんじゃバーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーミヤン♪

(※1 取材から2年後のもらい事故1件を除く)

(※2 取材を受けたファミレスはガスト)